

― 暖かみのあるほっこりとした空間づくりを ―
冬は家の中での催しごとがたくさんあります。クリスマスや大晦日、お正月や節分など、賑やかでおめでたい行事が多い楽しみな季節です。寒い季節にほっこりとした空間をつくりだすために、お部屋のインテリアや小物などに暖かみのある暖色系のワンアイテムを加えるだけでOK。クッションカバーやテーブルランナーなど、ワンポイントで取り入れてみてください。暖かくて居心地のよいおうち空間になり、もっと部屋が好きになることでしょう。冬の季節を感じさせる柄といえば、雪・松・竹・梅・椿・南天などこの時期らしいおめでたい吉祥文様などが挙げられます。きんらん和布では冬の行事に合ったインテリア製品や金襴生地を豊富に取り揃えています。暖かみのあるお部屋に模様替えをし、そのお部屋でゆっくりと手作りのグッズや作品を作って、楽しんでみてはいかがでしょうか。
松/松葉 -matsu/matsuba-

松の木は、一年を通して葉を落と差ない常緑樹であり、厳しい自然環境の中でも力強く育つことから、「神の宿る木」と言われ、古くから縁起の良い木とされてきました。そのように他の木は生きられないような過酷な環境でも力強く育つことから【長寿】・【威厳】・【不老不死】などの意味があるとされてきました。そいて、古人はそのような想いを込めて自身の着物や工芸品など身の回りのものに吉祥文様として好んで取り入れてきました。
南天 -nanten-

夏に白い花を咲かせ、冬に赤い実をつけるなど、季節ごとに楽しめる南天は、昔から「難を転ずる」の語呂から縁起の良いものとされており、現代でも縁起物や厄除けの吉祥紋様として昔から和柄に使われてきました。南天の花言葉は、白い花をつけた後に、赤い実をつけ、その移り変わりの様子が愛情が高まっているように見えたことから「私の愛は増すばかり」という花言葉がつけられたそうです。この他にも「機知に富む」「福をなす」「良い家庭」といったおめでたい花言葉があり、贈答用としても使われています。現在でも、お正月の時期に縁起物として飾られています。
扇面 -senken-

扇面は、扇文様、末広文とも呼ばれており、末が広がることから、吉兆の意味になぞらえて縁起のよい吉祥文様とされています。扇は平安時代の貴族のアクセサリーや遊び道具として愛用されました。そして、扇面文様は用いる人々の高貴な優美さを表し、古くから貴族の衣装の文様としても用いられました。また、今日では「これから先の未来がどんどん繁栄するように」という願いが込められており、結婚祝いや誕生日など、幅広いお祝いの席で用いられるようになりました。
宝尽くし -takarazukushi-

宝尽くしとは、縁起のよいものを寄せ集めてお祝いの気持ちを表す吉祥文様です。中国の縁起の良い吉祥文様とされる「八宝」に由来するもので、室町時代に日本に伝わり和風化したものが「宝尽くし」となりました。宝物にはそれぞれ意味がります。隠蓑(かくれみの)=危険から身を守る。丁子(ちょうじ)=果物・薬用。宝珠(ほうじゅ)=密教の法具。打出の小槌(うちでのこづち)=願いをかなえる。金嚢(きんのう)=金銭を入れる袋。分銅(ふんどう)=金を計る。七宝(しっぽう)=仏教の七つの教え。などなど・・・。福徳を呼ぶ吉祥文様として晴れ着や工芸品などに多くに使われています。
椿 -tsubaki-

椿は春を迎える季節に開花するので、春を告げる花とも呼ばれています。樹齢が長く、数百年美しさを保つことからも、神秘的な力を感じる花です。一年を通して常緑樹であることから長寿を意味し、古くから縁起の良い木として扱われてきました。冬になっても葉を落とさないので、霊力を持つ樹木として神事に用いられ、厄除けとしても使われ、神社や寺に盛んに植えられているほか、邪を払う木として家の境に植えられたりしています。花言葉は椿の色によって異なっており、赤は「控えめな素晴らしさ」、白は「至上の愛らしさ」、ピンクは「慎み深い」など、どれも女性の美しさや愛らしさを表現しています。このようなことから椿の柄は吉祥文様として着物や和装の模様として多くの人に好まれてきました。
梅 -ume-

梅は冬の寒さ厳しい時期に花を咲かせることから、【忍耐】・【生命力】の象徴とされています。また、古くは万葉集で歌われ、平安の頃までは花見といえば、梅の花であったと言われています。そして、学問の神様である菅原道真公が梅を愛したことから、【開運】・【学業成就】のご利益があるともされています。この天神信仰の広まりにより、梅の人気が高まり、梅文様は吉祥文様として多くの人々に愛され、着物や工芸品などの和柄のデザイン使われるようになりました。
雪/雪輪 -yuki/yukiwa-

雪の結晶は6方向に花びらを広げているような様子から「六花」と呼ばれ、六角形の結晶をしています。その六角形の雪の結晶の輪郭を曲線で繋いだデザインが雪輪文と言います。古から、たくさん雪が降った年は作物が豊かに実ることから雪は「五穀の精」と言われており、雪輪文様や雪華文様は「豊作」の象徴とされました。そのような雪輪文様をモチーフとした和柄は、吉祥文様として着物や工芸品などにに多数使われてきました。
菊 -kiku-

菊は奈良時代に薬草として中国から伝わったものとされており、平安時代には、九月九日の重陽の節句に菊の花を観賞したり、菊の花を漬け込んだお酒を飲んで、無病息災や不老長寿を願ったとされています。また、放射状に整った花弁を太陽に見立て、邪気を払う力があるとされています。このような意味合いのある菊柄は、【不老不死】・【延命長寿】・【無病息災】・【邪気払い】のシンボルとした吉祥文様とされ、平安時代には、公家の着物や家具、調度品などの文様として愛用され、室町時代からは、武家の甲冑や武具に菊の文様を使うようになりました。
竹/笹 -take/sasa-

天に向ってまっすぐに伸びる竹は、中国の故事で鳳凰がその実を食べるということから古来より吉祥の象徴とされてきました。冬の寒さの中でも生命力が強く、青々として茂るところから、【永遠】・【不老不死】の象徴とし、また、地中に広く根を伸ばし芽を増やし続けることから【子孫繁栄】の象徴ともされています。そのように縁起の良いとされている植物の竹をモチーフとしたデザインは、昔から着物や工芸品などの吉祥文様として多くの和柄に使われてきました。